’99年夏。２歳の男の子の母である、大阪在住の一主婦は煮詰まっていた。子供は可愛いけれど、育てるのはやっぱりシンドい。行ける場所は限られている。会える人も、交わす話題もいつも一緒。あ゛ー、煮詰まる煮詰まる。どこかへ行きたい。誰かに会いたい。そうだッ、インターネットだ！PCを買おう。ネットつなごう。そうすれば世界中の人と出会える。「子供・ダンナ・姑」の３点セット以外の話が出来る。HPだ。主婦の人もやっている。私も作ってみたい。

　・・・いろいろなHPを見てみる。「ちびっこママどうし、いろんなお話しましょ♪」そうそう、楽しいかも。自分も訪問者となって、そんなHPのBBSにカキコミしてみたり・・・って・・・あれッ？！結局それじゃあ井戸端でやってるコト、PC上でやるだけやん。悩みとか愚痴なんかを聞いてもらってスッとして、また家事・育児にガンバルッ！てなることも必要だけど、私が憧れたのはソレやったんか？むしろそこから逃げてきたんちゃうんか？・・・そういえば、同じようなママが作ってるのでも、ガーデニングでもお料理でも、何かテーマのあるHPっていいな。共通の趣味の人って話して楽しいし。趣味？好きなコト？そのコトだったら自分に語るべきモノがあるようなジャンル？・・・私・・・無いやん。なーんや。じゃあこの話は終わり。

　本やソフトを買って来てひとり悪戦苦闘。ＨＮそらまめママ(何にしようか考えていると、子供の姿が目に入った。横というかナナメから見た顔の輪郭はいつ見てもそらまめ。小っちゃい子ってこのほっぺが可愛いんだよなぁ。)ＨＰの名前は・・・昔働いてたとき、職場で作ってた手書きの通信のタイトルが“風向計”。ＨＰを作って誰かに何かを伝えるったって、対象とする相手があんまり広いとビビッちゃう。あの通信をネットで書いてると思えばいいんダ、ということで。こうして、あの煮詰まっていた主婦は“そらまめママ”としてHP“ネットde風向計”で、一緒に歌える仲間を見つけていこう、と歩き出した。